愛犬との新しいライフスタイルを満喫したいと願う皆さまへ
すこやかで豊かな家族の暮らしに役立つ情報をお届します。
犬は、虫歯の発生は少ないのですが、人間よりも歯石がつきやすいので、歯周病になりやすく、歯自体の摩耗もしやすいといわれています。愛犬の歯はこまめなケアとチェックをお忘れなく。少しでも異変が見られたら、すぐ獣医師に相談してみてください。
犬の歯の表面に、ザラザラと黄色っぽいものがついていれば、それは歯石です。食べ物のかすと細菌が唾液によって粘着物となり、歯の表面に付いたものが歯垢。それを放っておくと、唾液に含まれるカルシウムが沈着し、固くて取れにくい歯石になってしまうのです。この歯石は、いわば細菌の巣。歯周病の元凶です。
歯周病の最初の兆候は「歯肉炎」です。健康な歯ぐきは引き締まっていて、ピンク色。赤っぽくなっていたり、ぶよぶよと腫れていたら歯肉炎の疑いがあります。炎症のために歯と歯ぐきの間がはがれて(イラスト(1))、できた溝に歯石がたまり、細菌がさらに繁殖。次第に歯の土台となる歯槽骨が溶けはじめ、溝がさらに深くなります(イラスト(2))。すると、口臭がするようになり、歯ぐきが腫れて膿がたまったり出血しやすくなるなど(イラスト(3))、歯の周囲の組織が炎症を起こす「歯周炎」になります。左右の片方だけの歯でものを噛んだり、食べにくそうな様子が見られ、食欲がなくなることも。さらに炎症が進むと、歯槽骨が溶けて歯がぐらぐらしはじめ、最後には歯が抜け落ちてしまいます(イラスト(4))。
また、歯周病によって繁殖した細菌が血管を通じて全身に回り、心臓や腎臓など、内臓疾患を引き起こすこともあります。たかが歯、と軽くみることなく、愛犬の歯の健康状態は、常にチェックして、ひどくなる前にケアしましょう。
| 歯周病の進行過程 | ||
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| 歯ぐきがはれ、歯と歯ぐきの間にポケットが形成される。 | 歯槽骨が溶けはじめ、ポケットがさらに深くなる。 | |
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| 歯と歯ぐきの溝に膿がたまったり、出血が認められる。 | 歯がぐらぐらになって、抜け落ちてしまう。 | |
生まれたばかりの子犬には歯は生えていません。乳歯が生後3〜5週間で生えはじめ、生後半年ごろに永久歯と生え変わります。しかし、永久歯が生えてきたのに、まだ乳歯が残っている場合もあります。歯並びやかみ合わせが悪くなったり、歯と歯が重なって生えるため、歯石がつきやすくなりますので、生後1年を過ぎても抜けていない場合は獣医師と相談し、必要な場合は抜歯しましょう。
犬の歯は人の歯よりもエナメル質が薄いので、いつもおもちゃを噛んでいたりすると、歯がすり減ってしまいます。歯が欠けたり、先が丸くすり減っていないか、チェックしてみましょう。
また、固すぎるおやつやおもちゃを噛んだ拍子に、歯が欠けたり折れることもあります。歯髄が見えるほど折れると、そこから細菌が侵入して「歯髄炎」がおこります。歯がピンク色になり、痛みのため、よだれが多くなったり、食欲がなくなったりします。さらに症状が進むと、歯髄組織が壊死するため、歯は灰色になってしまいます。歯髄を抜く根管治療を施せば、歯を抜かなくてもすむ場合もあります。しかし、ほうっておくと歯の根っこ(根尖)が化膿して膿がたまる「根尖膿瘍」を引き起こします。歯槽骨を溶かし、目の下の皮膚に穴があいて膿が出てきたり、鼻汁に血が混じることも。こうした症状は、歯周病が進んだ場合にも起こります。治療するには、原因となった歯を抜歯するしかありません。
人間と違って、犬の口の中はアルカリ性で唾液の殺菌力も強いため、虫歯にはなりにくいといわれています。しかし最近では、食生活の変化や高齢化にともなって、虫歯の症状が見られる犬も増えてきました。歯垢や、それが固くなって歯に沈着した歯石には、細菌がいっぱい。その細菌によって作られた有機酸の働きにより、人間と同じように歯に穴があいて虫歯になるのです。虫歯が進むと歯の色が茶色や黒に変色し、口臭がひどくなったり、痛みでものが食べられなくなったりすることもあります。歯肉と歯の接合部分や上下のかみ合わせで重なる部分など、食べ物のかすがたまりやすいところは、特によくチェックしましょう。